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シカによる食害やサルなどに農作物を荒らされる野生動物の「獣害」に悩む全国の中山間部では、害獣を駆除する猟師の高齢化やなり手不足が深刻な問題になっている。
森林が面積の約9割を占め、〝日本三大猪産地〟として知られる岐阜県郡上市では、猟師という仕事への理解を深めてもらおうと、一般参加者が狩猟の知識や技術に触れられる講座やツアーを開いている。
主催する、地元猟師らでつくる団体「猪鹿庁(いのしかちょう)」の安田大介代表(44)は「獣は山の恵み。とって終わりにはしたくない。猟師の立場から里山の保全や、人と自然との共生について考えていきたい」と話す。
猪鹿庁は若い世代へ裾野を広げるため、猟師という職業の業務化にも取り組む。狩猟で得た肉の加工、販売までを行う「6次産業化」などを通じ〝食べられる職業〟にしていくことを目指している。
筆者:川口良介(産経新聞写真報道局)